京都市伏見区の住宅街の一角にある「京都アニメーション」の第1スタジオで起きた火災。建物からは激しく煙があがり、現場は騒然とした。
「ドーン」
現場では、複数の住民らが何かが爆発したかのような音を聞いていた。
現場近くで働いている20代の女性は午前10時半過ぎ、爆発音がしたので外に出た。すると、建物の横からもくもくと煙が上がっているのが見えた。急いで建物に近づくと、2階付近の壁沿いに20代くらいに見える男性が避難していた。足場があって、つかまり立ちをしているようだった。
同僚らと脚立や近くの車にあったはしごを持っていき、男性を救助。男性はすすで顔が黒くなっていたが、けがはないようだったという。一方で避難したけが人が座り込んでいるのを見た。警察などから「毛布はありませんか」と聞かれたので、職場にあった毛布を持って行った。「見ていて怖かった」と話した。
現場近くのタクシー会社「宇治第一交通」の営業所には午前10時40分ごろ、男性2人が「119番してくれ」と飛び込んできた。営業所の所長(54)によると、1人は服が焼け焦げ、全身にやけどを負っていたという。もう1人の40代くらいの男性が介抱していたが、だんだん弱っていくように見えたといい、所長は「いつもアニメ見てるよ」と励ましながら救急車が来るのを待ったという。
その後、外に出ると真っ黒な煙と炎が見え、プラスチックが燃えるような臭いがしたという。「近くでこんなことがあるなんて驚きしかない」
男性(22)も「爆発音が2、3回した。1階から黒い煙が上がり、炎があっという間に燃え広がり、すべての階の窓から火がみえた。3階の窓からはしごで救出された人もいた」と証言。また近くの会社事務所にいた女性によると、普段は静かな場所だといい、「建物もビシビシと揺れた。まだ消火活動が続いていて、救急車も来ている」と話していた。
建物の窓からは煙が激しく上がっていた。現場では多数の負傷者が出ている。
家族から連絡を受け、現場から約10メートルの家に住む義母を避難させに来たという70代男性は「発生直後は、真っ黒な煙が周辺を覆っていた。たくさんのけが人がいたようで『救急車が来ん』と怒鳴っている人もいた。まだ火の手が上がっていて、消防車で現場がごった返している」と興奮した様子だった。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル